DESIGNER INTERVIEW vol.2:s/s 2018 ‘RADEN’ collection

2/10 (土) より発売開始の s/s 2018 新作 ’RADEN’ collection デザイナー岡本菜穂インタビュー vol.2です。

今回は、デザイナーが、コンセプトにこめられた想いについてお話します。

‘RADEN’ collection
― ある日ハネが届いた、もうこれで地上にいる理由がなくなった ―
鉛色の空から、ある日ハネが届いた
やっと平和的にこの地から離れることができるのだ
蝶のように螺旋を描き、輝く鱗粉をふり撒いてどこまでも上へ

このジュエリーを身に付けることによって、ボーダーがないような状態になればいいなと。

−−− ‘RADEN’ collectionのコンセプトはどのように決まっていったのでしょうか?

私は、まず最初にデザイン(形)を作って、そのデザイン(形)に合った素材を探します。その後、どうしてそういうデザインに至ったのかを、自分で遡って分析することでコンセプトをまとめる手法をとっていますね。

−−− 「土地」という概念から一時開放されるというのがイメージになっている ようですね。

今は多様性がいいことか悪いことかという、多様性が問われている時代で、特にイギリスにいると生活している中で日々それを感じます。特に、今ヨーロッパやアメリカで問われているのは、多様性を受け入れるかどうかということですよね。一方で、日本は幸か不幸か98%が日本人なので、ある意味その問題に関わらなくてもいいような状況で。この感覚は声を大にして言えることではないと思っていたのですが、日本に帰国したときに、そのずっと問われている感覚から解放されるような感じがあったんですよね。

−−− 具体的に、どんな瞬間に問われているということを感じたのでしょうか?

今イギリスに住んでいて感じることは、「今の私の現時点での状況」でイエスかノーをはっきり表明しなきゃいけないというのがあって、中間が意外とないんです。グレーがあまりなくて。「あなたはどちらを選びますか?」と聞かれたときに、私はその人の好きなものにもっとフォーカスして自ら選べる人が多くなってほしいと思うのですが、グレーの答えが許されないのは息苦しさを感じるのではないかなと思って。今はっきりと選択しなくてもよい、今は答えられないとしていい心地よさ、それはある意味ノスタルジックなものかもしれないですが、そういうグラデーションが許されることも必要だと思いますね。答えを出すのに時間がかかることもありますしね。

−−− グレーのよさというのもありますよね。

グレーのよさというのが、日本的な美意識にもつながっていたり、今回のコンセプトのひとつだったりもします。以前私はそういう考えがあまり好きじゃなかったのですが、こちらにいると全てに白黒付けることへの矛盾も感じて。グレーの部分があることが、とても人間らしいなと思っています。時々こっちだし、時々あっちだしというのは人間本来のあるべき姿に近いのかなと。

−−− 身に付けることで、その重みから解放されるイメージなんですね。

そうですね。身に付けることによって気持ち的に浮き上がるような、ボーダーがないような状態にその人がなればいいなと。イメージとしてはファーっと飛んでいくんじゃなくて、「ドラえもん」みたいに浮いているような(笑)、ホバリングするような地上から少しだけ浮いているイメージですね。

−−− 人を区別しているものが、「地上」ってことですよね。

はい。今はインターネットが普及して、感覚の部分ではだんだんフラットになってきています。ある意味、土地のボーダーというのは、古い考え方にも思えますよね。でも、それが戦争の火種になったり人種差別を生んだり、まだまだ消えていないと感じていて。インターネット上では、感覚とか好きなもので区別されるようになっていて、そちらのほうが平和的だなと私は思います。だからそういう状況に一時でもなれるようなインタラクティブなガジェットを考えました。

−−− ガジェット。そう聞くと、そういう風に見えてきますね。

私に数学的な頭があれば、エンジニアにもなりたかったので(笑)。ハートの形もプロペラにも似ているし。ただのフワフワとした羽根というよりは、ちょっと人工的な飛ぶためのガジェットですね。

−−− 面白いですね。ガジェットとしてのジュエリーって。

超未来的な感覚で言うと、例えば「Apple Watch」も人と人とのコミュニケーションを円滑にするためのデバイスじゃないですか。20年後くらいには、どんなデバイスもICチップが入っていて、外見では見えないけど相互にコミュニケーションが取れるようになって、その後にはもっとテレパシーのような感覚になったら面白いかなと。

−−− 言語ではない何かでコミュニケーションし合うような。

そう。そういったときにSIRI SIRIのジュエリーを着けていることが、お互いのサインとしてすごく役に立つっていう。SFみたいなんで、抑えめにしときますけど(笑)。

(完)

前回のブログ、DESIGNER  INTERVIEW vol.1:s/s 2018 ‘RADEN’ collection  は、こちら。

次回は、螺鈿を制作してくださった職人へのインタビューをお届けします。
近日中にジュエリーラインナップもご紹介いたしますので、お楽しみに!

《 新作発売 》
日時:2月10日(土)13:00 より発売開始
場所:SIRI SIRI SHOP, Online Store

発売初日、SIRI SIRI SHOPにて、職人による螺鈿ジュエリー制作デモンストレーションも行います。

詳細は、こちらをご覧ください。

※ 商品ラインナップは、こちらからご覧ください。
※ 順次、全国のお取り扱いセレクトショップにて発売開始。

Text:Tomoko Ogawa

素材の旅 / 第5回 金属について 

‘RADEN’ ジュエリーができるまで

関連記事

  1. %e5%86%99%e7%9c%9f01-%e3%82%b9%e3%82%bf%e3%83%bc

    素材への旅/第三回 木 (江戸指物) について

    ただひとつの素材SIRI SIRI はこれまでに、木のジュエリーをいくつか発表しています。…

  2. %e3%83%89%e3%83%83%e3%83%8801

    素材の旅 / 第5回 金属について 

    廻る素材ジュエリーといえば貴金属(金やシルバー、プラチナなど)、SIRI SIRIもほとん…

  3. %e3%82%b9%e3%82%af%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%83%b3%e3%82%b7%e3%83%a7%e3%83%83%e3%83%88-2017-09-13-19-06-53

    素材への旅/第四回 アクリルについて

    可能性の素材SIRI SIRIの代表的な素材のひとつとして、アクリル樹脂があります。皆さ…

  4. dsc01194

    ‘RADEN’ ジュエリーができるまで

    2/10 (土) より発売開始の s/s 2018 新作 ’RADEN’ collection.…

  5. 02

    素材への旅/第一回 籐について

    呼吸し続ける素材SIRI SIRIでは、初期からのコレクションとして、素材を…

  6. top

    Introduction – 2017 s/s N…

    昨年11月に発表した新作2017s/s New collection が、いよいよ2/25(sat.…

  7. 0

    素材への旅/第二回 ガラスについて

    変幻自在な素材今回はSIRI SIRIの代表的な素材、ガラスについてお話しします。S…

  8. top%e7%94%bb%e5%83%8f_%e3%83%90%e3%83%83%e3%82%b02017ss

    Bag SPRING♪ – 2017 s/s Ne…

    いよいよ 2/25 Sat.新作2017s/s New collection…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

PAGE TOP