‘RADEN’ ジュエリーができるまで

2/10 (土) より発売開始の s/s 2018 新作 ’RADEN’ collection.

今回は、螺鈿装飾を施してくださった 蒔絵師 松田祥幹さん のもとを訪ね、貝からジュエリーが生み出されていく過程を追いました。

磨けば磨くほど、螺鈿は美しく光る。

今回訪ねたのは、越前漆器の背景を汲む 蒔絵師 松田祥幹さんのアトリエ。
松田さんは職人でありながら、蒔絵人口を増やしたいという思いのもと、青山で教室「蒔絵スタジオ祥幹」を開いている先生でもいらっしゃいます。

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‘RADEN’ collectionで使用されているのは、ホタテにも似た白蝶貝という貝。
海水で3、4日煮込んで、薄く剥がしたもの。ひとつの貝から取れる螺鈿のシートは、おおよそ2、3枚だといいます。

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まずは、水と紙やすりで、丁寧に螺鈿のシートを研いでいく松田さん。
気をつけないとすぐにパリンと割れてしまうので、円を描くようにくるくると研いでいきます。「水に濡れている時のこの色が、磨き上げた時の色に似ているんです」と話します。

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手作業での磨きが終わったら、バフがけの工程に入ります。
さらに薄くなった螺鈿のシートを割らないように注意しながら、「バッファー」と呼ばれる、高速でスポンジが回る機械におしあて、左右に動かし、上下を入れ替えながらさらに磨きをかけていきます。

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「磨いたものとそうでないもの、比べて見ると、滑らかさが全然違うでしょう?」と並べて見せてくれました。確かに、磨き終わったもの(写真右側)は、やわらかい光沢感があり、貝の模様も滑らかで、素材からジュエリーに変化していました。

貝の7色を引き立てる白漆。

‘RADEN’ collectionでは、螺鈿の裏側に漆が塗られています。
通常の螺鈿細工では、黒漆を接着剤の役割で用いることが多いそうですが、今回選ばれたのは、貝の7色を一番美しく見せてくれる国産の白漆。

ここで使われる白漆は、松田さんご自身が、漆液をろ過した漆に白粉を練り込み、特殊な吉野和紙で丁寧に濾して作った貴重なもの。

素材として使う漆を自らつくることも、欠かせない技術なのだということが伝わってきます。

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細い筆を使い、塗りムラが出ないように、毛先でなぞってムラを取りながら一定に白漆を塗っていきます。

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塗り終わった螺鈿は、30分ほど湿度が高い「むろ」に入れます。漆は、湿度が高いほど乾きやすい不思議な素材です。「乾こうかなぁという気持ちにさせるくらいがポイントです(笑)。温度が上がると本格的に乾き始めます」。

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きっかけを与えたらむろから出して、長い時間かけて一日ほど乾かしていきます。乾くとはじめは木のような茶色に変化してきますが、しばらくすると白に戻るのだそうです。
まさに、酵素が含まれる漆、生き物という感じがします。

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漆加工をほどこした後、金属のかたちより少し大きめにレーザーカットをします。
大きめにカットされるのは理由があるそうで、「機械で正確にカットしても、なぜか大きさが合わないことが多いのです。きっと、自然のものなので、模様や反り具合をみて手で削ってあげないといけないんでしょうね。漆は本当に生きているようです。」と。

そうしてジュエリーが出来上がるのです。

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松田さんは、’RADEN’ collectionについて、「こんなに螺鈿の素材を生かしたデザインは、見たことがありませんでした。螺鈿を細かく砕かずにそのまま使うことは、蒔絵をはじめてから、初めての経験です。とても面白かったです。
新しいアイディアをもつ方と一緒にものづくりをすることはとても楽しいですね。江戸時代は、3000人もいたと言われる蒔絵師ですが、今職業として食べていける人は都内では2人しかいないと言われてます。蒔絵人口を少しでも増やしていけたらという思いでやっています。」と笑顔で語ってくださいました。

PROFILE
松田祥幹(まつだ・しょうかん) 昭和40年、福井県生まれ。昭和61年、石川県、呉藤譲太郎先生に師事・京蒔絵と会津塗を融合させた独自の松田蒔絵と呼ばれる技法を生み出した秀悦氏から3代目にあたる。伝統を継承する傍ら、ガラス表面への漆の付着技法なども新たに生み出している。

 

今週末、いよいよ、コレクションラインナップを発表します!お楽しみに。

《 新作発売 》
日時:2月10日(土)13:00 より発売開始
場所:SIRI SIRI SHOP, Online Store

発売初日、SIRI SIRI SHOPにて、職人による螺鈿ジュエリー制作デモンストレーションも行います。

詳細は、こちらをご覧ください。

※ 商品ラインナップは、こちらからご覧ください。
※ 順次、全国のお取り扱いセレクトショップにて発売開始。

Photo:Manami Inoue, Text:Tomoko Ogawa

DESIGNER INTERVIEW vol.2:s/s 2018 ‘RADEN’ collection

シグネチャー・アイテムのご紹介

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